2021『乱反射ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう』

2021

乱反射展ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう
Diffuse Reflection - Where will your light go?
文化庁ARTS for the future!(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)

【会期】2021年11月1日~12月30日
【会場】2階の部屋[Alternative Space]1階の廊[Viewing Space]/東京
【参加作家】アダムス・ヴァース、國枝彩乃、橋本俊宣、マット・シェーファー、村井旬
乱反射展ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう
Diffuse Reflection - Where will your light go?

〇アートプロジェクトーコロナ過での社会的信頼と価値

 21世紀になって人がロケットに乗って宇宙に浮かんでいるステーションの中で滞在する時代になりました。より遠くに、より早く僅かな時間を惜しんで移動し続けるいま、偶然にも100年振りにウィルス感染症によって地球全体が覆い尽くされてしまいました。時が過ぎ、眼前に迫るこの問題を現代医学に希望を託し、人々は普段通りの生活が戻ってくる日を迎える準備を始めています。私たちは社会が未来を模索する動きに合わせ《GENZAI・乱反射ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう/GENZAI ー Diffuse Reflection - Where will your light go?》展を開催します。

 自分が放った光が、大きさや色を変えながら直進し、反射を繰り返し想像を超えて社会の中を駆け巡ります。実現可能なアートの社会的価値の議論に参加して、社会とアートの接点をつくるためのアートプロジェクトです。

 外出や対話などの社会的行動を極限まで減らし、コロナ収束を待ち続けた2年が過ぎようとしています。先の見えない長い時間は、私たちのライフスタイルや価値観を内側から揺さぶりつづけました。コロナ前の生活が遠い過去となったいま、私は社会がどの様な変革を求められていたのか、それを振り返る時が来ています。そしてニューノーマル社会のなかでアートがどこに向かって進んでいくか、大きな期待と関心を持って見守っています。

 冬眠していたアーティストにとって新しい時代が訪れます。コロナ禍、常に経済的利益と感染拡大防止協力の両方を突きつけられてきました。コロナ収束後の社会にとって、命の次に大切なものは希望のはずです。経済的利益よりも大切なものは学びであって欲しいと願っています。そして次のフェーズは個人の自立です。積極的に文化芸術に心を開き、コロナ感染によってグレー色に変質してしまった暗雲立ちこめる社会に、いまから自分たちの手によって色を描き加えていく、その覚悟をもって行動を起こす時が来ています。ニューノーマル社会とは多くの人が開かれた自由を許容する社会を目指して欲しい思います。

 《GENZAI・乱反射ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう/GENZAI ー Diffuse reflection - Where will your light go?》展は様々なジャンルのアートにまつわる人々の知恵を集結させるものです。巨大な力による世界的経済転換期の荒波を乗り越えてきたアーティストには、困難な局面を突破できた経験と知恵が蓄積されています。大きな力を使って、現在地点から未来を予測し、社会へと還元します。そのためにも私たちは作品を作り、発表し、インターネットを有効的に活用し新しい活動スタイルを自分達の手で作り出し続けます。多くののアートプログラムをご覧いただき、アフターコロナ時代が人々にとって大切な文化芸術を見つけ出す機会となれば幸いです。

村井旬(主催者/美術家)
「乱反射-Diffuse Reflection」ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう
Diffuse Reflection - Where will your light go?

〇開催趣旨

 当アートプロジェクトは様々なアーティストの知恵 を集結させ、やがて訪れるニューノーマル社会の中 でも実現可能なアートの社会的価値への議論を深め、 市民とアートをつなげるものです。

 近年小さなウイルスが信じられないスピードで世界 を覆い尽くす体験をしました。一方で、SNS 上では 1つの発言が反射と共鳴を繰り返しながら世界中を 巡り、そして社会を揺さぶる原子となりました。イ ンターネットが進化したお陰で世界は益々小さくな りました。人々はネットの中にも社会を形成し、益々 依存するようになって仮想現実と現実社会とが入れ 子となって進行しています。

 私は日々秩序と希望を持って社会の中で生活してい るが、仮想現実の進化速度が増していくとリアルと フェイクとの境界が薄れていく気がします。理想と 現時もまた以前の様に反発し合うものではなくなっ て、個々が未来を形成し構築してくのではないでしょ うか。ステイホームを終えた現実社会へ踏み出す次 の一歩はそれぞれの未来の方向を定める一歩となる ことでしょう。

 自粛期間中アーティストは静かに社会を俯瞰し、自 分たちが信じることの出来る作品を作り続けていま した。作家たちの表現をご高覧頂くとともに、本展 が私たちの未来を考察する一助となれば幸いです。

2021年11月

むらいじゅん /GENZAI 代表
Diffuse Reflection - Where will your light go?

     This art project brings together the wisdom of various artists, deepens discussions on the social value of art that can be realized even in the coming new normal society, and connects citizens and art. Last year, when the coronavirus infection spread and the society and art became separated, I held the "Art Range / Social Distance" exhibition to find a way to safely and securely deliver art to the public. ..

     We originally had a horrifying experience of witnessing a small virus covering the world at an incredible speed. This is a word uttered by only a few people in the modern society where the Internet is spread all over the world, repeats reflection and resonance at the next moment, jumps over space-time while deforming and discoloring, and returns to the original form to an unspecified number of people. It implies that it can be delivered in a non-fastened form. For some reason, people always make mistakes. However, wisdom is stored in humans. During the period of self-restraint, the artists continue to create works that they can believe in, quietly and sometimes with a bird's-eye view of society. We hope that the works exhibited in this exhibition will help you to see the expressions of the artists and help us to consider our future.

Organizer Jun Murai

〇参加略歴

マット・シェーファー/Matt Schaefer

アメリカ出身、サンフランシスコ在住、バージニア工科大学修士課程卒業【主な展示/プロジェクト】2020年「Members’ Juried Exhibition」アートフォトセンター、(カーメル、カルフォルニア)「アートの射程—ソーシャルディスタンス」2階の部屋(府中市/東京)2019年「Annual Photo Exhibit」「Photography + Art Exhibit」ハーベイミルク・フォトセンター(サンフランシスコ)2018年「Annual Photo Exhibit」ハーベイミルク・フォトセンター(サンフランシスコ)他多数。

《コロナ過の表現とはなんですか?》
このパンデミックの不確実性と予測不可能な道を生き抜くことで、私は創造的なエネルギーを長く深い時間のテーマに集中させることができました。
《アストロスケープ》*2階の部屋展示中のプリントで、私たちの認識を超えて、私たちの一般的な経験を超えて世界を写真に撮ることが私たちにとって何を意味するのかを考えることができます。太陽系、銀河、または宇宙に私たちの文脈を広げることによって、人類の長いアーチと可能性を考慮することが私たちの義務になります。自然との戦いは、この観点からは異なって見えます。

アダムス・ヴァール/Adams Verl

アメリカ出身、ユタ大学大学院建築学科修了、2013-首都大学東京准教授。【主な展示】2020-現在 「Liminal + / – Subliminal」814ギャラリー、ソレトレイク、ユタ州。2019「アートビューイング西多摩」青梅市立美術館(青梅市/東京)。2019「現在:Genzai Here & Now」2階の部屋、府中市/東京、他多数

《バック・トゥー・ネーチャー》
東京のアパートに閉じ込められて1年半が経ち、絶え間なくコンピューターの画面を見つめていました…パンデミックは、旅行したり、外に出たり、自然の中で時間を過ごしたりしたいという私の欲求を新たにしました。 私は、米国のアリゾナ州とユタ州との国境近くにある赤い岩のメサと峡谷の中で育ちました。そこでは、多くの場合カメラのレンズを通して、砂漠の風景に対する太陽の影響を観察することに多くの時間を費やしました。 これらの作品では、ユタ州キャニオンランズのメサアーチなど、自然界で見られる反射光の現象を捉えて表現したいと思いました(下写真)。 この柔らかく光る拡散光は、精神的な質が強く、自然の存在を表現しています。

作品図版

橋本俊宣/HashimotoToshinobu

北海道出身、青梅市在住【主な展示】日本版画協会展’79準会員賞、1975~’05日本版画協会展、’79準会員賞1979年新人推薦展(養清堂画廊)サンシャイン版画版種別グランプリ展、主な個展2006~橋本俊宣(本名)で20年間の飲み残を貯めた珈琲で描いたタブローでTACに参加、2013TACプロジェクト2013「5つの空間展」(たましんギャラリー)、2016「不思議な世界へ」展レ・トロワ・アヌー、2016~2017アートビューイングOME

《コロナ過の表現とはなんですか?》生まれは北海道釧路、湿原の中で育ちました、その中でも秋の湿原の枯れた神々しい輝き、そして思い出すのは沼に落ちてしまった恐怖の体験、ただ光(明るいところ)を這い上がって来たあの光このことが今制作できて、又その一部になっているのは確かです。

作品図版

國枝彩乃/KuniedaAyano

府中在住、北海道出身、首都大学東京大学院システムデザイン学科インダストリアルアート学域修了。【主な展示】2016 「アートで表現するパラスポーツ」スリットアニメーション作品展示(三田/東京)インタラクション2017 作品展示(中野/東京)2018 第23回日本バーチャルリアリティ学会大会 芸術展示学術奨励賞(仙台/宮城)2019 「現在:Genzai Here & Now」2階の部屋(府中/東京)

《コロナ過の表現とはなんですか?》人々がコロナウィルスで苦しむ中、今日も世界の片隅で生活をしている生き物たちがいる。人間社会を別の生き物から見たら、どのように感じているだろうか?彼らは人を娯楽として見ているかもしれない。彼らは捕食者として人を狙っているかもしれない。彼らは人に全く興味がないかもしれない。様々な生き物が、お互いの気配を感じながらバランスを取って生きている。その生活の一片を表現しようと試みた。

作品図版

村井旬/MuraiJun

東京都出身、1997テンプル大学卒業【主な展示】2019年「村井旬写真展」百笑ギャラリー (相模原市/神奈川)2019「GENZAI Now and Here」 、2020「アートの射程・ソーシャルディスタンス展」2階の部屋(府中市/東京)2021「ときには仏具のように」照恩寺(小平市/東京)他多数ウェブサイト:www.muraijun.com

《コロナ過の表現とはなんですか?》僕の表現のヒントは日々の生活している社会から得ています。製作は自分の人生に刻み込む光、その軌跡を残す行為です。未来の未だ自分の知らない方向に顔を向けながら考えいます。この2年間、自分の生きてきた人生のなかで最も長い間社会が揺れ動き続きました。地球上の全人類が一斉にコロナウィルスという非生物に対して真正面から対峙したことは、私の心に深く刻み込まれました。私にとって表現とは、様々な経験から生まれてきています。

関連企画ー1.

関連企画「トークイベント&トークセッション」
【日時】 2021年 12月11日/14:00-16:00【参加方法】 オンラインライブ配信【収録】 珈琲焙煎舎2階展示場【参加費】 無料
第1部・トークイベント
『アートと街ーコロナ禍からの府中カルチャーの出口/武居利史x廣瀬健』
第2部・セッション
『アートの輝きはこの先何処へ向かっていくのだろうか?ーアートの意義と経済』
登壇者
武居利史(美術評論家/府中市美術館学芸員)
廣瀬健(建築家/(株)アワーデザイン代表取締役)
村井旬(美術家/GENZAI代表)
モデレーター
横須賀ヨシユキ
会場風景

前半のトークイベントでは新型コロナウイルスによって変化した現状をどのように捉え、これから先の府中の街の行方をスライドを交えてお話頂いた。

後半のセッションは専門性を有した有識者3名でアートが社会とどのように繋がりを持っていくのか。今後の展望について議論・発言をしてもらった。

積極的活動 ワークショップ
味覚の乱反射-視覚を味覚で表現しよう

【日時】 2021年12月27日、28日 / 13:00~14:00【会場】 珈琲焙煎舎店内にて実技を開催(1階の廊、2階の部屋内の展示作品を鑑賞)【チケット】 1,000円(参加費、材料費込み)【講師】 飯島里沙(珈琲焙煎士)

プログラム
始めにブレンドコーヒーの基礎を講師より説明。次に『乱反射展』の作品の中から1つ自分の好きな作品を選んでもらう。じっくりと作品を鑑賞して視覚を元にブレンドコーヒーを作成していく。抽出体験して食べ物とのペアリングを楽しんでもらう。

関連企画−2.

会場風景
積極的活動 ワークショップ
味覚の乱反射-視覚を味覚で表現しよう

【講師プロフィール】飯島里沙(珈琲焙煎士)1983年東京生まれ。シアトル系カフェでアルバイトを含め7年勤務の後、2011年11月11日11時の28歳の時「珈琲焙煎舎」を東京都府中市に開店。手網を使って焙煎をしたコーヒー豆を販売している。メディア紹介:別冊Lightning Vol.215 東京コーヒーロースターズなど多数。

スケジュール
13:00〜講師紹介
13:05〜コーヒー豆について
13:15〜作品鑑賞
13:30〜ブレンドについて+作成
13:45〜抽出・実食・フィードバック
14:00終了

関連企画ー3.

【プロフィール】Momo(府中市在住、ピアニスト、洗足学園大学・バークリー音楽学院ジャズ作曲科卒業)
関連企画|乱反射 音楽ライブ
『音の乱反射ーいつまでも、どこまでも』

第1部・音楽ライブ
【日時】 2021年 12月26日/14:00~15:45【会場】 イン・ヴィーノ・ヴェリータス・サングリア【チケット】 販売 前売り券2,500円、当日券3,000円【演奏】 Momo【サウンドエンジニア】 富 正和

第2部・イスタレーション映像
【日時】 12月26日、27日【会場】 2階の部屋(珈琲焙煎舎2階展示場)【映像】 児山紀孝【作品】 気配(Sign)國枝綾乃
(映像鑑賞/アーカイブ配信)
ギャラリー空間で行う音楽ライブ映像
ピアノ+ヴォーカル ソロライブ

音楽ライブの一部を動画に編集し『気配(Sign)』作:國枝彩乃のプロジェクターで投影。音楽ライブ映像と立体作品とのコラボレーション作品を鑑賞中。

関連企画ー4.

関連企画|乱反射展
販売協力:コラボレーション・コーヒーパッケージ

第1弾・府中うまいものフェア
【期間】 2021年 11月 1 日~ 30 日【商品】 コラボバッグ180円【会場】 ミッテン府中 9 階フードコート

府中うまいものフェア第2段!『スイーツ&ベーカリーコレクション』
【期間】 2021年12月1日~19日【商品】 ホリデーギフト1,200円【会場】 ミッテン府中 9 階フードコート
東京都府中市宮町1丁目41-2

ミッテン府中(株式会社ノジマ) 9階「府中うまいものフェア」にて販売したコーヒーパッケージに乱反射展アーティスト(全5名)作品イメージを提供しました。