2018『音・Oto』

2018

音・Oto

【制作年】2018.
【素材/サイズ】インクジェットプリント、カセットテープ/不定形
コンセプト

私は自分と実在する被写体とを繫いでいる目には見えない関係性を探し、それを外部化するための作業(撮影・現像・プリント)をします。私はある種の雰囲気を持つ空間の中に進入し、その時に自分の中に芽生えた感情を感知し撮影を始めます。この空間と自分とを繫いでいる感情、その時その場にあった光、音、質感など、私の感覚を刺激したもののことを「浮遊する雰囲気」と呼んでいます。私にとって透き通る空気は層になり、光は未来へと向かい、暗闇は奥へと続く道です。「浮遊する雰囲気」はとても微細ですが、その時私の周りを取り囲んでいる外界と同等の強さを感じさせます。撮影中は被写体のことではなく、自身のつぶやきや、独り言を写真に変換することを考えています。この空間と自分との結びつき「浮遊する雰囲気」をフィルムに封じ込めるために、その時居合わせた外界(空間)の場面を引用するためにシャッターを繰り返し切り続けます。それは何度も適切な言葉を探して紙に書き続けるのと同じ作業です。