気になる本:上尾信也著『音楽のヨーロッパ史』

自分の制作を進める上で、大きなきっかけとなるのは誰かが書いている文章からの場合も多いことに気がつく。上尾信也著『音楽のヨーロッパ史』はまだ読み始めたばかりだけれども、初めの一文がとてもドラマチックでとても印象的だ。

以下引用

<blockquote>「音は一瞬で消える。おとそのものは時空を越え残されることはない。そのため音は音の記憶の記録にのみ残される。」</blockquote>

この文章のどこが琴線に触れたのかというと、一瞬で消えるという時間的表現と、記憶の記録という表現。数年前に、和太鼓、三味線などの邦楽の楽譜と音符の楽譜とを見比べて、「伝える」ことの東洋と西洋の違いについてリサーチをしました。何故、そんなことを始めたかというと、写真は、ある意味具象メディアです。手段として写真を使い抽象概念を表現するには、何を理解していることが必用なのかを探し出す為の作業のひとつでした。私自身、写真をつかい、写真画面に再現される写された事物、そして体験より受け止めた私の感情、この両方を共に表す事で、写真が持っている力を再構築することを目ざし発表をくり返しています。映像以外の、様々なジャンルで長い歴史のなかで、それぞれが抽象概念を作品化してきているので、なるべく早く自分の道を見つけ出したい。

30678209上尾信也著『音楽のヨーロッパ史』