「行為が対話になる・Action Becomes Dialogue」
インダストリアルアートプロジェクト演習
このプロジェクト演習では、2人のゲストアーティストと選抜されたデザインの学生グループとの交流を通して、サイトスペシフィックなアートワークの制作を探求する。このワークショップの目的は、学生たちに、東京都市大学キャンパス内の見慣れた展示スペースに微妙な差異をもたらすことで、空間の本質と場所の意味を再考する機会を提供することである。
「行為が対話になる・Action Becomes Dialogue」
村井旬、鈴木興(ゲストアーティスト/講師)
担当教員:ヴァール・アダムス
2024年6月20日(木)~27日(木)
東京都立大学日野キャンパスSDギャラリー(2号館1階)
〒191-0065 東京都日野市旭が丘6丁目6
○企画意図
創作とは、無から有を生み出す行為ではなく、先人の積み重ねや環境などの既存のものを前提とする行為である。デザインでは、通常、様々な前提条件を提示する依頼主がおり、その意向に沿った提案が求められる。本企画では依頼主を、環境・空間・無意識の感情・歴史などの、普段あまり意識はされていないが、静かに我々へ影響を与えているものと設定する。声を持たない依頼主と、展示という行為を通して対話するとき、それは今いる場所の捉え直しになり、自分自身との対話にもなる。参加作家による展示空間の特色を生かした促しが、参加者の小さな働きかけを生み、それらが大きな広がりへと連なるとき、創作の原点に立ち会える場になると考える。
○方法論
(1)学生のワークショップに先立ち、担当教員と招待作家がSDギャラリーにてインスタレーションを設置する。
(2)ワークショップ初日、インダストリアルアートデザインの学生たちへ最初のインスタレーションが提示される。
(3)学生たちは、展示空間における既存の状況や、最初のインスタレーションに応じ、各自のインスタレーションを探求する。
○スケジュール
初回ガイダンス
受講希望者へのワークショップ紹介
日時:5月14日、午後3時〜
場所:SDギャラリー(日野キャンパス2号館1階)
クラス
クラスワークショップ:6月4日~20日
展示期間:6月20日~27日
展示撤去:6月27日
(ワークショップは火曜日と木曜日の16:20-17:50に行います。)
ワークショップスケジュール
5月31日(土) 担当教員と招待作家によるインスタレーション制作
6月4日(火) 学生向けワークショップ講義
6月6日(木) 学生によるコンセプトレビュー
6月11日(火) 学生によるコンセプト開発
6月13日(木)学生による詳細レビュー
6月18日(火) 学生作品の搬入・展示
6月20日(木) 学生作品の講評
6月27日(木) 展示物の搬出
美術家プロフィール
Profile
村井旬[MURAI Jun]
1971東京都出身、1997ペンシルバニア州立テンプル大学アメリカ研究学科卒業、現在「Periodフォト&デザイン」代表。
製作コンセプト
2000年より写真による表現領域の拡大をテーマに個展・グループ展を開催。写真と人間の記憶の関係性に焦点を当てて作品を作っている。
主な個展/グループ展
2020「アートの射程ーソーシャルディスタンス」2階の部屋、「位相写真 ― PHASE」芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」、2021「乱反射ー貴方の放つ光は何処へ行くのだろう」文化庁ARTS for the future! 2階の部屋、「ときには仏具のように」照恩寺、2022「秋に咲く」2階の部屋、2023「半自然-Semi Natural」宇ーフォーラム、2024「小さな嘘 主観とパースペクティブ」羽村市生涯学習センター
ウェブサイト:http://www.muraijun.com
Instagram:https://www.instagram.com/junemurai/
Profile
鈴木 興[SUZUKI Ko]
1975 長野県出身、1999 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。
製作コンセプト
畳の隙間や壁の段差、窓ガラスなど、ふだんは気に留めないような場所にも展示できる「柔軟な絵画」を制作している。
受賞歴/主なグループ展
2002「ART公募 2002審査員賞」受賞、 2003「群馬青年ビエンナーレ’03」群馬県立近代美術館、 2008「第27回損保ジャ パン美術財団選抜奨励展」損保ジャパン美術館、 2012「第25回美浜美術展」福井県立美術館、2015「VOCA展2015」上野の森美術館
企画意図
創作とは、無から有を生み出す行為ではなく、先人の積み重ねや環境などの既存のものを前提とする行為である。デザインでは、通常、様々な前提条件を提示する依頼主がおり、その意向に沿った提案が求められる。本企画では依頼主を、環境・空間・無意識の感情・歴史などの、普段あまり意識はされていないが、静かに我々へ影響を与えているものと設定する。声を持たない依頼主と、展示という行為を通して対話するとき、それは今いる場所の捉え直しになり、自分自身との対話にもなる。参加作家による展示空間の特色を生かした促しが、参加者の小さな働きかけを生み、それらが大きな広がりへと連なるとき、創作の原点に立ち会える場になると考える。

『顔を壁に擦る』2024
光の役割と記憶の再現性〜写真と人間の記憶の交錯
光に当たることで事物は姿を現し、私たちはそれによって視界を得ています。写真は一般的に客観的な記録と考えられていますが、実際には撮影者の主観や意図が写り込むこともあります。撮影者は被写体や状況を選び、構図や視点を決めることで、写真に自分の視点や感情を表現することがあります。一方、人間の記憶は主観的な要素が強く、経験や感情によって影響を受けます。そのため、同じ瞬間を写真として捉えた場合でも、人間の記憶とは異なる印象や感情が生じることがあります。
私は写真と人間の記憶の関係性に焦点を当てて作品を作っています。人間の記憶は固定されたものではなく、さまざまな要素や要因によって構築されています。例えば写真を見た時に小さな部分から気配を感じ、記憶とは違う目に見えないものを頭の中で想像してしまうことがあります。私はこのような分からなさに気づいてもらうことで、単に過去の再現ではなく、複雑で多様な要素から成り立っている記憶の性質を表現しています。記憶の再現性や安定性に疑問を投げかけ、抽象と具象を行き来しながらもリアルな要素を取り入れ、人間の存在や感情の奥深さを探求しています。
むらいじゅん(美術家)
クラス
クラスワークショップ:6月4日~20日
展示期間:6月20日~27日
展示撤去:6月27日
(ワークショップは火曜日と木曜日の16:20-17:50に行います。)
ワークショップスケジュール
5月31日(土) 担当教員と招待作家によるインスタレーション制作
6月4日(火) 学生向けワークショップ講義
6月6日(木) 学生によるコンセプトレビュー
6月11日(火) 学生によるコンセプト開発
6月13日(木)学生による詳細レビュー
6月18日(火) 学生作品の搬入・展示
6月20日(木) 学生作品の講評
6月27日(木) 展示物の搬出












